
・上司が見る評価シートのポイント
・評価シート書き方のコツ
・職種別評価シート例文
※この記事を書いている人


目次
そもそも評価シートって?
評価シートというと書くのが面倒くさく、なかなかうまく書けないよ。というちょっとマイナスなイメージがありますが、自身の役職や給料にダイレクトに響くとても大切なものです。
そもそも評価シートは人事考課が使うものであり、人事考課表や、よく使われる名称では評価シートと呼ばれるものに書いていくことになります。
評価シートは、その期間、またはその年で自分を評価し、上長や人事がそれを使って課員を評価するために活用されます。
評価する側(ここでは上長など)がチェックしますが、評価される側(自分)がどのように自己評価しているのか? どこを評価してほしいのか? ということを考えて書くと良いでしょう。
評価シートに書いたことがそのまま全部評価されるとは限りませんが、評価する側はしっかりとチェックしています。内容が抽象的だったり、問題があれば指摘されますし、場合によっては書き直しをして再提出、なんていうことを経験をした人も多いでしょう。
また、評価シートでは自分が気付いていない上長から見た評価ポイントも追加されます。書いた内容がどの程度評価されるかはわかりませんが、しっかり相手が認めてくれるであろう業績、功績を書きましょう。
書き方に悩まず 素直に
書き方に悩み、固執してしまう人が多くいますが、書き方に特筆すべき点はありません。
素直に事実を書くようにすればよいのです。この時に、文学的な表現や比喩などは使わない方が良いです。自分がやったこと、できたこと、成功したこと、会社に貢献できたことを箇条書きでも良いので書くようにしましょう。

客観的に見ることを意識する
評価する側が求めるのは、客観性がある内容です。そして、それが会社としての見解や、評価に同意できるものであるかもポイントです。独りよがりのものや、客観性がないものは評価しづらいのです。むしろ、マイナスイメージになってしまう場合がありますので注意しましょう。
業種・職種によって書き方にコツがありますが、客観性が大事ということは、どの職種でも同じです。書き方の違いを知っていると、職種によってどんな書き方が良いのか。説得力があるのかがわかります。自分の職種によって書き方を変えましょう。
それでは、評価シートで評価対象となる要素はどういうものがあるのでしょうか? 確認してみましょう!!
自己評価の評価要素
自己評価の評価要素は大きく分け3つあります。
・能力基準
・情意基準
業績基準
業務での実績を評価するものであり、組織目標を達成するために自分が達成すべき成果基準です。定量的なものになります。
売上目標○○に対して、○○売り上げたといった目標に対する達成度で評価します。成果だけではなく、目標達成までのプロセスも評価対象です。
能力基準
職務を通して身に付けた能力に対する評価基準です。
高度な業務に対する達成度や、クレームやイレギュラー業務の対応内容、持っている能力をどれだけ発揮できたか、またその結果が評価対象になります。
ここでの能力とは、企画力や実行力、問題解決力や改善力などです。

情意基準
行動考課や執務態度考課と呼ばれる、仕事への取り組む姿勢に対する評価です。
仕事に対する意欲がどれだけあるのか、真摯に取り組めているか、与えられた仕事を責任を持ってできているかという点が評価対象になります。
それぞれの基準に対して、自分がどのような結果を残したか、どのようにアプローチしたのかを具体的に書いていくことで、良い自己評価につながります。
では続いて、具体的にどういう書き方が良いのか、コツをあげながら見ていきましょう!!
良い自己評価シートを書く5つのコツ
自分の成果をアピールするには、目標に対しての達成度を客観的に表現することです。
では、客観的に表現するにはどう書いたら良いのでしょうか? それは、具体的な数字をあげて書くことです!
毎月1件の新規顧客を獲得することによって、売上目標1,000万円に対し、1,200万円の売り上げで目標を達成できた。達成率120%であった。
また、業務を行う中で、目標に対する成果以外にも実績を残した場合は、その内容も書きましょう。プラスαとしてアピールすることができます。
今期、資格試験の勉強会を開催し、受験者数を増やした。その結果、合格者を2名創出することができた。

しかし、必ずしも目標を達成できるわけではありません。残念ながら達成できなかった場合は、数字では表現できない部分の実績や、目標を達成するために心掛けたいポイントや改善策を書くと良いでしょう。
売上目標契約社数目標1,000万円に対し、実績700万円(達成率70%)と未達であったが、担当地区以外のマーケット開拓に成功した。来期は、目標達成の為に現顧客のサポートをしつつ、担当地域外マーケットからの顧客獲得に努め、目標達成としたい。
それでは、実際に良い自己評価シートを書く5つのコツを記しましょう。
コツ① 自分を客観的にみる
これまで何度もいってきましたが、自己評価において、自分を客観的にみることが大切であり、基本です。
自分の残した結果が周りにどう影響し、ひいては会社にどのような利益をもたらした。なのでこう評価した。というように、客観的事実に基づき書きましょう。
コツ② 具体的な数字を用いる
職種によってはできない職種もありますが、数値で評価できる職種であれば、成果を数字で書きましょう。
「よくできた」、「よかった」など抽象的な表現ではなかなか評価する側に伝わりませんし、説得力がありません。売上目標○○に対し、○○売り上げ、達成率は○○であった。といったように数値を用いましょう。
上のような自己評価を読んでみていかがでしょうか? 例文としてなので、あえて酷い文章を書きましたが、具体的な数字がないと説得力がありませんし、”良かった” や ”頑張りたい”、”思います” などのワードは抽象的でボヤっとしている印象を感じるでしょう。
コツ③ 失敗や問題点を報告する
良かった結果だけではなく、失敗した点、抱えている問題点などがあれば書きましょう。
失敗したことを分析し、成長につなげるという意思を示すことで情意基準の評価につながり、失敗を改善することへのプロセスの構築能力や、思考力が能力基準の評価へとつながります。
また、ここだけの話ですが、良い点だけのプラスばかりの内容より、多少マイナス面があった方が、人間の心理的にも説得力を持った印象になります。

コツ④ 改善点を書く
良かった点は、さらに伸ばし、悪かった点は、改善するためにプランを立てて、その内容を書きましょう。
コツ③でも説明しましたが、プランの実行力や提案力は、情意基準、能力基準の評価へとつながり、上司からの印象が良くなります。
コツ⑤ 1段階高く自分を評価する
これはある種裏ワザのようなものですが、自分が良い評価を得るには、自分が考えているより1つ高く自己評価をすることです。
評価シートでの上司や人事の評価は、自分が書いた以上の評価はなかなか出ません。
例えば、5点満点で自分の評価が3点としたとすると、上司や人事の評価は2.0~3.0(良くて3.5)です。悲しいかな、評価シートの内容次第では、自分の評価より低くなる場合もあります。ですので、あえて1段階高く4.0と評価したとすれば、評価する側は3.5~4.0(良ければ4.5もつくかも?)ということが見込めるわけです。
しかし、あまり高く評価しすぎると逆効果です。かえってマイナスイメージが付くことになります(笑) あくまでも自分が考えるより1段階高く評価することに留めておきましょう。
職種別 評価シートの書き方 例文
職種によって評価シートでアピールすべき内容には違いがあります。ここでは、職種別の書き方、例文を見ていきましょう。評価シートを書く際、参考にしていただければと思います。

【例文】営業編
営業職の場合は、目標や達成度が数値で表せますので、書き方としてはシンプルです。達成できた点とそのプロセス、悪かった点とその改善方法を書くようにしましょう。
新規顧客獲得数は目標○○件に対して、○○件であり○○件未達となった。
原因としては、既存顧客への営業活動は問題なく達成できたが、その分新規顧客への営業活動が減ってしまったこと。次年度は、既存顧客への営業活動をキープし、新規顧客への営業活動に比重を増やすことで改善を図る。
未達の理由としては、セールストークの要点を捉えられず、商品の魅力を十分伝え切れなかったことが原因と考える。改善策として、商品の特性を知識を捉え、顧客に商品の魅力を感じさせる説得力のあるセールストークの改善を図りたい。セールストークの改善は、リーダーとのロープレを行うことで改善を図るものとしたい。

【例文】事務職・バックオフィス編
事務職やバックオフィスは、業務の変化が少なく評価シートが書きにくい職種です。しかしながら、経営やお客様との窓口業務など会社を支える存在であり、絶対に欠かせない職種です。
評価シートの書き方には悩みますが、私が提案したい書き方は、ミスがなく正確に業務を行ったことを評価してもらう書き方が良いと考えます。それにプラスし、業務の改善点などを指摘し、改善したプロセスや改善後、業務がどう変わったかも書くと評価は高くなります。
事務・バックオフィスの業務は裏方的な側面がありますが、縁の下の力持ちであり、絶対に欠かせない職種です。だからこそ積極的にアピールするべきです。自信を持ってどんどんアピールしましょう!
新入社員3名の採用を予定していたため、業務マニュアルを作成し落とし込んだ。これによって、1週間程かかっていた引き継ぎ業務を3日以内で完了でき、業務効率化を図ることができた。

まとめ
評価シートは、昇給や給料、ボーナスなどに響くものです。また、長期的にみると、自身の将来設計にも繋がるとても重要なものです。
上手く評価されれば良いですが、独りよがりの過大評価は良くありませんし、逆に過小評価も良くありません。
面倒くさいと嫌厭されやすいものですが、しっかりと自分と向き合い、丁寧に書いていきましょう。
そうすれば、評価する側にも自然と気持ちは伝わります。
現在ボクは営業部長として、課員の評価シートをチェックしています。
この記事は、評価する側から見た良い評価シートの書き方やコツをまとめました。
評価シートについて、書き方が分からない。自己評価欄について漠然と内容は頭の中に浮かんでいるが、具体的に文章にできない。などの悩みを解決したいという方へおすすめの記事です。